希少がんに対する研究開発を加速する肉腫バイオリソースの基盤整備

2019 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 16H05448
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 整形外科学
• 研究機関: 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所) (2017-2019); 大阪大学 (2016)
• 研究代表者: 中 紀文 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 整形外科主任部長 (90601964)
• 研究分担者: 田中 太晶 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 整形外科医長 (00796245) ; 伊村 慶紀 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 整形外科医長 (40772687) ; 田宮 大也 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 整形外科 副部長 (70811686) ; 若松 透 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター(研究所), その他部局等, 整形外科医長 (90833476) ; 竹中 聡 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (00588379) ; 名井 陽 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (10263261) ; 濱田 健一郎 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50649043) ; 吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 理事・副学長 (60191558)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 肉腫 / バイオリソース / 希少がん / 細胞株 / 前臨床試験

研究成果の概要

平成28-令和1年度において47例の肉腫患者検体を用いて細胞株の樹立作業を行い，in vitroで安定的に増殖する肉腫細胞株を14株，このうちin vivoでも継続的な腫瘤形成を示すことを確認できたものを6株得た（平滑筋肉腫，淡明細胞肉腫，脱分化型脂肪肉腫，ユーイング肉腫，ユーイング様小円形細胞肉腫，未分化多形肉腫，各１株）．これらの肉腫細胞株はヌードマウス皮下注にて腫瘤を形成し動物実験を行うことが可能で，今後希少で治療困難な肉腫の病態解明や新規治療法開発のために極めて有用な研究ツールになるものと思われる．

自由記述の分野

骨軟部肉腫

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究で得られる肉腫バイオリソースは全て日本人の肉腫患者から樹立されたもので，人種差を考慮することなく我が国の肉腫患者治療に直接還元しうる日本人由来の肉腫解析ツールであり，今後大規模な国際共同研究の提案に対しても即座に対応しうる．また，通常の研究環境でin vitroからin vivo へ連続する実験が可能であり，再現性・利便性・経済性に特に優れる．短期間で薬効評価の情報を提供し，実施すべき多施設共同研究の選択や医薬品審査の標準化にも応用可能であり，我が国におけるエビデンスの確立に大いに資するものと期待される．