研究課題/領域番号 |
16H05449
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
尾崎 敏文 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40294459)
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研究分担者 |
藤原 智洋 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80639211)
魚谷 弘二 岡山大学, 大学病院, 医員 (30708087)
國定 俊之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80346428)
森田 卓也 岡山大学, 大学病院, 医員 (10743007)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | liquid biopsy / exosome / Ewing 肉腫 |
研究実績の概要 |
【目的】Exosomeは当初、細胞の不要物的な存在としか認知されずその機能や存在意義は不明であった。しかし近年、exosome内に核酸や蛋白が内包されていることが分かり、関連研究が加速している。また患者体液を用いたliquid biopsy(体液診断)技術が悪性腫瘍の新しい診療ツールとして開発されつつある。Exosome自体がliquid biopsy の標的として機能することが大腸がんなどの上皮がんで示唆されているが、肉腫における知見は報告されていない。我々はexosome膜表面タンパクに焦点をあて、Ewing肉腫に対するliquid biopsy への応用可能性について検討した。 【方法】Ewing 肉腫細胞株3種とヒト間葉系幹細胞の培養上清から超遠心法でexosomeを抽出した。このexosome に対してLC-MS/MS解析を行い、Ewing肉腫細胞由来exosomeで共通して高く発現し、正常細胞では発現のないタンパクを選出した。このうち解析可能であったタンパクに対して、Ewing細胞由来exosomeを用いてELISA及びWestern blotによる膜タンパク抗原の検出を行った。 【結果】Ewing肉腫細胞株由来exosomeで共通して発現し正常細胞で発現のない上位15種の候補が抽出された。この中にEwing肉腫の免疫組織学的診断で一般的に用いられる細胞膜発現CD99が含まれており、ELISAおよびWestern blotにより細胞株由来で発現が検出可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞株および患者血清由来のエクソソームのプロテオーム解析により、バイオマーカーの候補となるエクソソーム表面タンパクを選出することができた。
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今後の研究の推進方策 |
臨床へも応用可能な候補タンパクの探索と解析プラットフォームの確立を目指していく。 具体的にはEwing 肉腫細胞株移植マウスを用いた解析、患者血清を用いた解析等を行い、最終的には臨床応用を目指した検出プラットフォームを確立する。
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