研究課題/領域番号 |
16H05498
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
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研究分担者 |
吉矢 和久 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (40379201)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
入澤 太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (50379202)
清水 健太郎 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (60379203)
新谷 歩 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (00724395)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 侵襲 / 再生 / 長寿 / 幹細胞 / 細胞移植 / 敗血症 |
研究実績の概要 |
我々は、クラッシュ症候群と熱中症の2つの急性期炎症モデルにおいて、骨髄由来単核球細胞 (BMMNCs)移植の有効性をさらに検討した。健常ラットの大腿骨、脛骨より骨髄液を採取し、BMMNCsを単離した後、各モデルに静注投与した。 なお、ラットクラッシュ症候群モデルでは、ラットを仰臥位とし、両下肢にはそれぞれ2.5kgの重りと専用器具の板の計3.0kgで6時間圧迫した。圧迫解除1時間前からは大量輸液(生理食塩水 10ml/kg/h)を持続投与し、圧迫解除後3時間まで継続した。 一方、熱中症モデルの作成は、全身麻酔下に直腸温を連続測定しながら、小動物用保温機(BWT-100A; Bio Research Center)を用いて暑熱暴露を開始した。加温中の直腸温は5分間で1.0度上昇するように、また直腸温が41.8度に到達した時点から30分間は41.8度±0.2度を維持するように、保温機の温度を調整した。 いずれのモデルにおいても、BMMNCs移植群は7日間生存率が有意に高く、また移植後3、6、12時間後の血清IL-6、TNF-α、Histone H3、ICAM-1、Syndecan-1の濃度は有意に低かった。またコントロール(非移植)群の肺組織には間質浮腫、血管内皮障害などの著明な炎症所見を認めたが、BMMNCs移植群ではいずれも軽減されていた。また、熱中症モデルでは、コントロール群の暑熱暴露6時間後の肺組織において、血管内皮グリコカリックス層の主要成分であるSyndecan-1の発現は、sham群と比較して著明に低下していたが、BMMNCs移植群では、Syndecan-1の発現が保たれていた。以上の結果より急性炎症病態に対するBMMNCs移植は、過剰な炎症反応の抑制し、血管内皮傷害・臓器障害や生命予後を著明に改善する可能性が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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