研究分担者 |
田島 吾郎 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (00437427)
朝野 和典 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40202204)
嶋津 岳士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50196474)
明田 幸宏 大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (60444527)
山野 修平 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60570538)
小倉 裕司 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70301265)
廣瀬 智也 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (70597509)
山本 倫久 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10778707)
竹川 良介 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (30759577)
萩谷 英大 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (30718531)
|
研究実績の概要 |
臨床においては、気道熱傷患者の偽膜および喀痰を採取してNETsの存在を免疫染色で確認した。偽膜は損傷された気道の脱落上皮、白血球、フィブリン等から形成され、時に気道閉塞の原因となる。NETsが偽膜形成に関与していると推測されることから、DNase吸入薬を用いることにより偽膜形成を抑制できる可能性がある。本結果は第42回日本熱傷学会総会の教育講演で発表した。 マウスモデルにおいて自然免疫受容体の遺伝子発現パターンを、感染モデル(盲腸結紮穿刺(Cecal Ligation and puncture: CLP))、および非感染モデル(体表面積20%のIII度熱傷(Burn))において経時的に測定して、判別分析により感染、非感染炎症の診断を試みた。TLR2,TLR4の発現は6時間後からCLP、Burnにおいて有意に上昇した。TLR9の発現はCLPにおいてSham, Burnより12時間後から有意に低下した。NLRP3の発現は6時間後、24時間後でCLP、Burnにおいて有意に上昇した。判別分析では6時間後から、各群で特徴的な遺伝子発現パターンを示し、識別誤り率 3.03% (6 hr), 6.25% (12hr)、および6.06% (24hr) で各病態を判別することができた。研究結果は、本年9月に76th Annual Meeting of the AASTで口演予定である。 NETs形成のためのヒストンH3 のシトルリン化に重要な酵素であるPeptidylarginine deimininase 4(PAD4)の遺伝子発現を、Sham、CLP、Burnのモデルにおいて受傷24時間後に全血よりtotal RNAを抽出し定量RT-PCRにより測定した。shamと比較して、Burn、CLPにおいて有意にPad4の発現亢進を認め、CLPではBurnよりも更に有意な発現を認めた。
|