研究課題
I.目的 70歳,80歳の地域高齢者を対象として,咬合力と,栄養状態の評価にも用いられるBMIとの関連について縦断的な検討を行った.Ⅱ.方法 対象者は70歳,80歳のSONIC研究参加者の中で,3年後もしくは6年後の縦断調査に参加した人とした。咬合力はデンタルプレスケール(ジーシー社)を用いて測定した.本研究では,BMIが21.5未満の人を低BMIと定義した.ベースライン時に低BMIと定義された人,ならびにベースライン時に脳梗塞もしくは悪性腫瘍の既往のある人,縦断調査中に低BMIから回復した人は分析対象者から除外し,縦断調査時に新たに低BMIとなった人を,BMI低下群とした.咬合力とBMI低下との関連を検討するために,一般化推定方程式を用いて分析を行った.BMI低下を従属変数,咬合力を独立変数とし,栄養状態に関連があると報告されている変数を調整変数として用いた.Ⅲ 結果 分析対象者は,636名となり,そのうち72人がBMI低下群となった(11.3%).分析の結果,栄養状態の低下に,経過年数 (オッズ比=3.04,p<0.001), 年齢 (オッズ比=1.86,p=0.044) ,最大咬合力 (オッズ比=0.89, p=0.034)が有意な説明変数となった.性別,経済状況,教育歴,同居状況,服用薬剤,MoCA-J得点,うつ状態,握力,IADL得点,残存歯数,刺激時唾液分泌速度は,有意な説明変数とならなかった.本研究の結果から,70歳,80歳の日本人高齢者において,咬合力が低い人は,BMIの低下が起こりやすいことが示唆された.
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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