研究課題/領域番号 |
16H05577
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
吉田 俊子 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (60325933)
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研究分担者 |
石川 伸一 宮城大学, 食産業学群(部), 教授 (00327462)
佐藤 大介 宮城大学, 看護学群(部), 講師 (20524573)
大熊 恵子 宮城大学, 看護学群(部), 教授 (40284715)
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 心不全 / 自己管理支援 / 増悪予防 / 循環器看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、慢性心不全の発症・増悪予防に向けて、都市地域、農山漁村地域の地域性を重視した自己管理支援プログラムを開発し、その中・長期的効果について検証することである。全国の循環器診療施設を都市地域、準都市地域、準農山漁村地域、農山漁村地域に分類して実施した、慢性心不全患者の退院時の患者教育を担当している看護師を対象とした質問紙調査の結果からは、看護師による慢性心不全患者への退院時教育は80%以上実施されていること、多職種と連携を図りながら実施しているが、地域性について実際の教育内容や方法への具体的反映が十分になされていないことが示された。 また、看護師に対して実施した慢性心不全患者の自己管理教育に関する面接調査の結果からは、慢性心不全患者への効果的な自己管理教育を行うためには、患者の居住地域の特徴を踏まえた生活状況を理解した上で、患者と十分に対話を行う必要性があること、高齢者が多い地域では、退院後の地域での支援体制が重要であることが示された。 これらの調査結果と文献検討より、都市地域、農山漁村地域における生活上の増悪リスク因子、日常生活状況、社会生活状況、生活習慣と自己管理行動の特徴、各々の関連性を検討し、地域性を重視した慢性心不全患者への自己管理支援プログラムの検討を進めているところである。策定する自己管理支援プログラムは、入院中から外来へと継続可能であり、自宅での継続管理ができる内容とする。また患者自身が健康情報を確認し、医療者と確認しながら行動変容の過程に基づき、段階的に自己管理行動が獲得できるように検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
面接調査の倫理審査等に時間を要したが、質問紙調査、面接調査の結果を踏まえ、慢性心不全患者への自己管理教育と地域性との関連を検討しており、現在プログラム設定を行っている。プログラムの教育内容は、疾患・治療内容、服薬、心理的項目の他、地域での特徴を踏まえた身体活動性等の身体的項目、社会的活動や社会的サポート状況等の社会的項目など、地域性を踏まえた身体面・心理面・社会面での項目について検討中であり、患者の自己管理教育資料と看護師が教育を実施するための資料作成を行う。検証については、研究協力者との連携をとっており、検証を実施していくための準備段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の遂行全般に対しては、研究分担者、研究協力者ともに密に連絡をとっており、研究体制はとれているが、都市地域、農山漁村地域ともに地域特性を踏まえた教育の実施には循環器診療施設との連携が重要であることから、地域における研究協力体制をより強化して取り組んでいく。
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