研究課題/領域番号 |
16H05628
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
奥田 哲士 龍谷大学, 理工学部, 准教授 (60343290)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | モリンガ / 浄水汚泥 / 抽出方法 / 前洗浄 / 精製 / 残留有機物質 / 凝集剤 / 水質 |
研究実績の概要 |
計画にあった「前処理による狭雑物質の除去」について、期間内にできる限り多種の溶質およびその濃度、温度や回数等の条件を変更した前洗浄を行い、その後の抽出液の炭素含有量と凝集能力、さらに模擬濁水を処理した後の残留有機物質濃度等の水質について評価を行った。前洗浄が夾雑物を除去するために有効であることがわかり、凝集活性成分の残留性、すなわち(本)抽出液の凝集能力(凝集成分濃度)とのバランスをとるように結果の解析を行い、最適条件を見出した。条件としては、前処理の固液比、温度、回数などを試験したが、本抽出の条件として抽出温度についても検討した。残留有機物質の性質としては、購入した蛍光分光光度計(3次元EEM)などを用いて評価を行い、タンパク質様の成分が一部残る可能性を見出した。 これらの評価により、能力の低下はほとんど起こさず、残留有機物質、すなわち夾雑物をほとんど残さない凝集液を得る方法を開発できた。ここでは更なる夾雑物削減を目指し、抽出液を水道水中の多価イオンにより沈殿精製する技術開発の検討も行い、目標を達する能力を持つ方法を開発できた。ただ、この精製に関しては効率が悪く、今後、イオンのみからの凝集活性を持つゲル生成による精製を目指す。 加えてマレーシアでの栽培試験のための汚泥作成と栽培試験の予備的検討を行った。汚泥作成試験の際には、購入した水質計を用いて現地で各種水質の計測を行い凝集試験を行って汚泥を作成、その汚泥を利用した栽培試験を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初年度、代表者の交通事故のため、蛍光装置の購入準備等が間に合わず、抽出条件の検討の一部がH29年度にずれこんだが、当該年度(H29年度)の検討内容と並行して行い、変更した計画スケジュール通りに検討を終えた。発表についても、発表学会を変更したため、計画とは異なる月であるが、H29年度中に発表を行えた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、最終年度に「開発凝集剤を用いた発生土の園芸土・農地土壌としての評価」について、主にマレーシアで栽培試験を完了し、評価を行う。
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