研究課題/領域番号 |
16H05813
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小路 武彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (30170179)
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研究分担者 |
柴田 恭明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (80253673)
遠藤 大輔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (90516288)
穐山 直太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90554238)
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研究協力者 |
チョー ソー
チョー ミャッポン
チョー ジンタン
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肝癌 / 若年発症 / 鉄過剰摂取 / ヒ素 / 組織化学的解析 / Bcl9 / 居住地域性 / ミャンマー |
研究成果の概要 |
ミャンマー国の若年性肝癌発症の原因究明の一環として、これまで鉄過剰摂取の可能性を検討してきた。本研究では更に、環境中のヒ素による局地的な発癌リスクの増大を鑑み、若年性発症の頻度や鉄及びヒ素への暴露に関し地域的・民族的な差異の有無を検討した。様々な居住区のビルマ族や他民族からの肝癌等検体計107例を入手し、その内56例を解析した結果、鉄及びヒ素暴露の指標となる肝組織への鉄の沈着とDNAの5-ハイドロキシメチルシトシン低下がそれぞれ認められた。更に若年性肝癌特異的な、β-カテニン制御タンパクBcl9の細胞質貯留の低下を見い出し、今後の研究対象分子を明確化した。
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自由記述の分野 |
分子解剖学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、今後更に民族間での若年性肝癌発症の差異を病理検体に基づき解析することにより、地域的な鉄及びヒ素の影響を明らかにでき、ひいてはその除去による発症リスクの除去を可能とすることを示している。また民族間での生活環境の違いによるこれら毒性物質の無毒化につながる伝統食の発掘への期待も膨らむ。特に今後の検討に於いて、若年性肝癌発症に関連する具体的な解析対象分子Bcl9を同定できたこともこれら毒性物質の作用機構を解明する上で大きな貢献と思われる。
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