本研究の学術的意義は、従来社会学的な研究対象であった在来知に工学的にアプローチする点にある。風工学・建築工学を用いた防災技術要素の性能評価から、コミュニテイ全体の自然災害対応力評価までを一貫して行うことも、本研究の特徴である。本研究の成果を用いれば、異なる防災技術に依拠するコミュニティ間の自然災害対応力の違いを横断的に比較することが可能になる。さらに、開発途上地域の社会状況や風土に合致した防災対策立案へ活用できる。以上により、2030アジェンダ(SDGs)が目指している豊かな生活の実現に向けて、科学と在来知が協働するという方向性を提示したことが本研究の社会的意義である。
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