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2018 年度 研究成果報告書

黄砂として飛来する放射性セシウム吸着剤(雲母)が日本の土壌に与えた累積影響の解明

研究課題

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研究課題/領域番号 16H06188
研究種目

若手研究(A)

配分区分補助金
研究分野 植物栄養学・土壌学
研究機関京都府立大学

研究代表者

中尾 淳  京都府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (80624064)

研究協力者 エリオット クロフォード  ジョージア州立大学
田中 亮吏  岡山大学
江口 哲也  農研機構
成瀬 敏郎  元兵庫教育大学
久保寺 秀夫  農研機構
高原 光  京都府立大学
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード石英の酸素同位体比 / K-Ar年代 / 放射性セシウム捕捉ポテンシャル / XRD / 古環境解析
研究成果の概要

地質史を通じた黄砂の飛来・堆積によって,日本の土壌は放射性セシウムを吸着する能力を得たのではないか?この仮説を検証するために,鍵となる堆積年代が識別された火山灰や泥炭の累積層から黄砂の粒径範囲である<20μmの微細粒子を分画し,様々な化学・鉱物学・同位体地球学的な分析を実施した。その結果,1)K-Ar年代と単離石英のδ18O値から推定された火山灰中の黄砂存在比が大きいほど,RCs固定能が高く,2)火山灰への黄砂混入比が火山からの距離が離れるほど増加すること,3)寒冷な古環境での黄砂の堆積がRCs固定能増加に重要であることなど,仮説を支持する新事実を明らかにすることができた。

自由記述の分野

土壌化学

研究成果の学術的意義や社会的意義

黄砂が土壌の機能を規定する因子になり得ることは,福島原発事故が起こるまでほとんど見過ごされてきた。しかし,とりわけ日本においては地質史を通じた黄砂の飛来量が大きいため,放射性セシウム固定能を大きく高める効果があり,火山灰への黄砂混入比が高い黒ボク土ほどその固定能が大きいことが初めて実証された。この成果は,黒ボク土の放射性セシウム固定能に地点間差が生じる要因を新しい視点から証明しており,黄砂が供給する知られざる生態系サービスの解明という点で高い学術的があり,放射性セシウムの土壌-植物間での移行量予測に有用な知見を供給したという点で高い社会的意義を持っている。

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公開日: 2020-03-30  

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