研究課題
本研究は、最近我々が同定した病原性Th2(Tpath2)細胞および二型自然リンパ球(ILC2)に焦点をあて、肥満誘導性喘息の発症・慢性化メカニズムを正確に理解すること、およびその予防法・新規診断ツール・治療法の足がかりを構築することを目的とする。平成30年度の一連の研究で、以下に示す新知見を見出した。1.アレルギー性皮膚炎におけるACC1の作用:これまでの研究実績により、肥満病態においてACC1が上昇し、Tpath2細胞やTh17細胞が誘導されることで好酸球-好中球混合型の喘息が引き起こされることが明らかとなっている。これらの結果をもとにアレルギー性皮膚炎におけるACC1の作用についても検討を行なった。ACC1-ERT2マウスを用いて、MC903(ビタミンD誘導体)によるアレルギー性皮膚炎について解析したところ、ACC1欠損群では有意に皮膚炎病態が抑制された。2. Tpath2/ILC2の形成・機能に必須の脂質代謝産物の同定これまでの成果により、ACC1および脂肪酸XがTpath2/ILC2の形成・機能に必須であることが示された。ACC1欠損Tpath2細胞を用いてリピドミクス解析を行なったところ、ACC1欠損Tpath2細胞では、脂肪酸Xを含むトリグセロール、ホスファチジルコリン、およびホスファチジルエタノールアミンの低下が認められた。一方これらのリゾ体については大きな変化は認められなかった。現在、脂肪酸Xを含む脂質のどの種類がTpath2細胞の特徴を決める脂質であるか進めている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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