研究課題
XFELを用いたChRの時分割シリアルフェムト秒結晶構造解析を行い,励起光照射した後1, 50, 250, 1000, 4000 マイクロ秒後における構造変化を明らかにした.その結果,膜貫通ヘリックス3番と7番の動きが観測されチャネルの開閉に重要なDCゲートのアミノ酸残基間の水素結合ネットワークを壊し,水分子の流入ひいてはチャネルを開状態へと遷移させることが明らかになった(eLife、2021).音の増幅に働くヒト由来Prestinに関して熱安定化変異体を作製し,クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析により分解能3.2 Aでの構造決定に成功した.得られた構造からPrestinが電位依存的に陰イオンを感受してトランスポーター様の構造変化(2つの膜貫通ドメインの開閉)を起こし,これと同調して膜貫通ドメインの傾きが変化することで,モータータンパクとして膜に振動を与えることが示唆された(論文投稿中).またマウス由来TRPV3を人工脂質二重層Nanodiscに再構成しクライオ電子顕微鏡単粒子解析により分解能3.3Aで構造決定に成功した.得られた構造から脂質によりゲートの開閉が制御されており熱で脂質が解離することでチャネルが開く新規のメカニズムを提唱した.(Nat.Struct.Mol.Bio.,2020).さらに神経細胞や心臓の電気活動に必須の役割を果たす電位依存性カリウムチャネルKv4.2と2種類の制御サブユニットKChIP1/DPP6Sからなる巨大複合体の立体構造を,クライオ電子顕微鏡単粒子解析により明らかにした.その結果KChIP1とDPP6SがそれぞれKv4.2の膜貫通ヘリックス6番(チャネルポアの開閉制御を担うゲート)と膜貫通ヘリックス1及び2番と相互作用することで,Kv4.2の電気生理学的特性を適切に調整する機構が明らかになった(Nature,2021).
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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