研究課題/領域番号 |
16H06320
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹沢 泰子 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70227015)
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研究分担者 |
田辺 明生 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30262215)
徳永 勝士 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (40163977)
太田 博樹 北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)
成田 龍一 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (60189214)
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研究期間 (年度) |
2016-05-31 – 2021-03-31
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キーワード | 人種 / エスニシティ / 人種差別 / 人種化のメカニズム / ゲノム / 集団のラベリング |
研究実績の概要 |
本年度は3月末までに計11回の研究会を行った。具体的には、ゲノム研究の現状や遺伝病の集団差、日本人の起源などをめぐる文理融合の共同研究や、海外からの報告者を交えての国際ワークショップ(公開)、さらに本年度に刊行されたシリーズ『人種神話を解体する』(全3巻)の合評会(非公開)、国際共同研究の成果論文集Trans-Pacific Japanese American Studies の執筆陣座談会(公開)などを開催した。これらの共同研究会を通して、次のさらなる課題を明確にし、共有することを目標とした。 さらに、3月以降28年度の補完実績として10月にTimothy Caulfield氏(University of Alberta)を招き、国際セミナーを開催した。第一線の実証研究における国際的見解は、今後の研究に示唆を与えるものであり、次年度以降の課題に繋がるものであった。 また、国際学会での発表や海外の研究者との交流、国外の資料収集にも力を入れ、アジア拠点の人種研究の地盤固めとして日本とアメリカの人種研究の総論的見解をまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、メンバー全員で、本課題の土台となる前研究成果の論文集(2016年秋出版)の合評会を重ねて行った(4冊の本に対して計4回)。これは、新しい研究テーマに取り組むにあたって必要な課題についてじっくりと議論するためである。関連テーマで研究を行っている研究者らからもフィードバックを得ることができた。さらに、ヒトゲノム研究をめぐり新しく生じている現象や倫理問題についても、ゲストに講演してもらうことによって、メンバーで問題意識を共有することができた。 フランスの国立社会科学高等研究院に代表者が招聘されて講演と打ち合わせを行うことによって、平成29年度から開始する学術交流の準備を進めることができた。 本年度に先方の都合で来日が叶わなかった海外協力研究者については、来年度招聘する予定である。また、科研費採択の通知が本年度途中であったために、年度内に調査(国内・海外)にいけなかったメンバーは、29年度に資料調査・フィールドワークなどに着手し、研究を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の研究実施計画は、以下の通り。 6月7日 日系アメリカ人研究会(1回)、6-7月 「人種神話を解体する」連続セミナー(5回)、7月 歴史文化班研究会(1回)、文理融合セミナー(2回)、8月 ワシントン大学共催シンポジウム(2日間)、9月 歴史文化班研究会(1回)、10月 文理融合研究会(1回)、11月末 アメリカ人類学会パネルおよびセミナー(2回)、12月 フランスTEPSISとの合同研究会(2回)、3月 沖縄サイエンスカフェ(2回)、3月 フランスでの合同シンポジウム(2日間)
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