本研究では,腫瘍血管の薬剤耐性にがん細胞由来細胞外小胞(Extracellular vesicles:EVs)が関与する可能性を検討した.悪性度の異なるがん細胞からEVsを単離し,それに含まれるmiRNA発現量を比較検討したところ,悪性度の高いがん細胞由来EVsにはmiRNA-Xが多く含まれた.EVsを取り込んだ血管内皮細胞においてmiRNA-X発現が亢進し,さらにその標的遺伝子Yの発現が低下することにより,5-FUに対して薬剤耐性を示した.今後,miRNA-Xと病理学的因子および予後について臨床検体を用いて検討し,新たながんの診断・治療法の開発を目指す.
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