全国のレセプト情報を解析することで、今回初めて、わが国の年間を通した帝王切開術実施状況を明らかにした。わが国の年間を通した帝王切開率(2013 年)は 18.5%で、都道府県別では 14.0%から 25.6%まで差があり、周産期医療に関わるマンパワーや施設が少ない地域、分娩取扱機能が分散している地域では予定帝王切開術が多く行われる傾向にあった。多くの先進諸国で社会的理由による帝王切開率が増加している中、わが国の帝王切開率は世界保健機関の推奨する値に比較的近く保たれ、周産期医療水準の高さが改めて確認された一方で、予定帝王切開率の地域差の背景に周産期医療体制の違いのある可能性が示唆された。
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