抗PD-1/PD-L1抗体は同一経路を標的とする免疫チェックポイント阻害剤であるが、両者の薬効におよぼす体内動態の影響に関する検討は不十分である。PD-1/PD-L1経路阻害感受性モデルにおいてPD-1抗体と比較するとPD-L1抗体の薬効は乏しかった。放射性同位体111In標識抗体で体内動態を比較したところ、PD-L1抗体の血中濃度と腫瘍移行量がPD-1抗体と比較し著しく減少し、正常臓器への集積が増加していた。両抗体の標的分子の正常臓器での発現の違いから、動態特性に大きな差が生じ、腫瘍集積量と薬効に影響を及ぼすことが示唆された。また動態解析からPBPKモデルの構築を検討した。
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