血管作動性物質、アドレノメデュリン(AM)と、その受容体活性調節タンパクRAMP2は、癌転移抑制の標的として期待される。本研究では、誘導型血管内皮特異的 RAMP2 ノックアウトマウス (血管RAMP2-/-)、誘導型リンパ管特異的RAMP2ノックアウトマウス (リンパ管RAMP2-/-)を樹立し、癌転移におけるAM-RAMP2系の意義を検討した。血管RAMP2-/-では、原発巣は縮小するものの、血管恒常性が破綻した結果、肺転移が亢進する結果が得られた。一方、リンパ管RAMP2-/-では原発巣の重量が増大し、血管新生が亢進した。現在、足底部への癌移植によるリンパ節転移について検討を進めている。
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