高齢者の骨格筋では筋肥大の効率が低下していることが知られており、サルコペニアからの回復が困難となる要因である。これまで我々は骨格筋肥大率とリボソーム生合成(RB)の関係の研究を行い、2つの間に強い相関関係があることを明らかにした。本研究ではRBと筋肥大率の間の因果関係を解明するために骨格筋肥大時にRB阻害剤を投与する実験を行った。その結果、RBの抑制に伴い筋肥大率が減少することが明らかになった。さらに老化マウスの骨格筋におけるRBの検証を行ったところ、加齢に伴う骨格筋量の減少に先行して中年期から軽度のRBの低下が起こること、翻訳効率の増加により中年期の軽度のRB低下が代償されることが分かった。
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