研究成果の概要 |
オオシロカゲロウは河川棲の昆虫類であり,地域によってオス・メスが共存する両性個体群と, メスだけで構成される雌性個体群が認められる地理的単為生殖種である。遺伝子解析により、どちらの生殖系統かを識別することができる。今回、福島県・阿武隈川および埼玉県・荒川の2河川において、両系統が混在することが明らかになった。これらの性比は流程ごとに異なり、阿武隈川では下流に行くほど、単為生殖系統の割合が高くなるが、一方、荒川では逆のパーターンで、上流側に向かうほど単為生殖系統の割合が高くなった。加えて、単為生殖系統と両性生殖系統間での羽化時間に違いがあり、系統間での交配が比較的困難であることが明らかとなった。
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