慢性閉塞性肺疾患(COPD)モデルマウスの脊椎や下肢骨、下肢筋肉における変化を調査した。COPDモデルマウスは、エラスターゼ(PPE)誘導性肺気腫モデルを用い、気管内にPPE 0.1Uを投与した群をCOPD群、生理食塩水を投与した群を対照群とした。マイクロCTで解析した胸椎と腰椎の骨密度変化率は、PPE気管内投与4週以降、COPD群が対照群に対し有意に低値であった。骨組織標本上では、腰椎と脛骨ともにCOPD群の有意な海綿骨量減少と骨形成能低下を示した。一方、COPD群では遅筋(Ⅰ型筋繊維)が豊富なヒラメ筋重量が有意に減少しており、筋組織標本上では中間広筋におけるⅠ型筋繊維の萎縮を認めた。
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