アンチセンス核酸は、難治性疾患に過剰発現する遺伝子を選択的に抑制する次世代の分子標的薬として期待されているが、治療応用に向けて標的組織や細胞への送達効率を高める技術の確立が求められている。本研究では、送達技術の第一の課題である生体内での安定性の向上を狙い、温度応答性セグメントを組み込んだ熱安定化ミセル型ナノ粒子の調製を試みる。生分解性をもつポリアミノ酸ベースのポリマーの新しい構造を開発し、25 度付近に相転移する温度応答性を示すことを明らかにした。このポリマーは、生体適合性の高く、更なる高機能なキャリア設計を可能にすると考えられる。
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