研究成果の概要 |
放射線照射により特異的に DNA 中に生じる損傷ヌクレオシドである5,6-dihydrothymidine (DHdThd) のチミジン (dThd) に対する比率 (DHdThd/dThd) を測定することにより、電子線照射食品の検知が可能であった。DHdThd の生成効率は線源によらず概ね一致していた。また、検知指標とする DHdThd/dThd は、試料(牛レバー)の長期保存(冷凍下4か月)前後あるいは加熱調理前後での変動は僅少であり、堅牢な検知指標であることが認められた。DHdThd には5R-および5S-異性体が存在するが、その異性体の生成比は照射温度に影響される可能性が示唆された。
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