本研究課題では,利用者のみに音を届けるウェアラブルスピーカとして,円形および直線スピーカアレーに関する検討を行った。円形アレーではスピーカは2次元平面上に配置されているが3次元空間での指向性の振る舞いや2つ以上の円筒が近づいた際に起こる反射の影響について検討した。その結果,あらかじめ基本モードによる指向性生成能力を把握することで無理のない3次元指向性制御が行えること,2つの円筒を用いて多重反射を行うことでさらなる性能向上が望めることがわかった。さらに,2つの直線アレーをV字型に配置し,それぞれの指向性を両耳方向に向けることで,音漏れの少ないウェアラブルスピーカの構築が可能であることを示した。
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