研究課題/領域番号 |
16K00303
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
早川 知道 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (80730887)
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研究分担者 |
伊藤 孝行 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50333555)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 参加型センシング / ゲーミフィケーション / インセンティブメカニズム |
研究実績の概要 |
河川周辺地域では、事故、不法投棄、浸水等などの様々な問題点を解決するため、河川環境管理手法の新たな方法論にチャレンジするとともに、膨大な河川管理情報を用いた潜在的投棄発生箇所の予測手法の開発、監視員の最適な自動監視活動計画の策定手法の開発、および住民からの情報提供を促進するためのインセンティブ設計を行い、さらに、それらを基盤とした実証実験を実施し、効果の検証を通して河川環境管理の実現手法を確立することを目的とする。 今年度は、住民からの情報提供促進のためのインセンティブ設計に加え、ユーザーが安心してサービスに参加するためのプライバシー保護手法についての研究をを行なった。インセンティブ設計を行うにあたり、ユーザーの投稿を促すためには、ユーザーがプライバシー漏洩を懸念する問題を解決する必要がある。よって、ユーザーが情報を投稿する際のプライバシー問題について、ランダムなノイズ付加に基づく多選択問題のためのプライバシ保護手法について研究を行なった。ランダムなノイズ付加に基づく多選択問題のためのプライバシー保護手法についてシミュレーションを行い、成果をについて学会等で発表し、さらに論文誌にまとめ投稿した。 またさらに、ゲーミフィケーションを用いたインセンティブ設計について検討を行なった。具体的には、参加型センシングにおいて、チェックイン機能、ポイント機能及びポイントランキング機能によるゲーミフィケーションを用いたインセンティブ手法についての研究を行なった。その成果について学会にて発表し、さらに論文誌にまとめ投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インセンティブ設計を行うにあたり、ユーザーがプライバシ漏洩等を懸念することなく安心してサービスに参加するための検討が必要であることに至り、ユーザーのプライバシー保護手法(ランダムなノイズ付加に基づく多選択問題のためのプライバシー保護手法)に関する研究を最初に行なった。このため、本年度の課題である、住民からの情報提供促進のためのインセンティブ設計の研究に遅れが生じた。 また、雑務業務及び他プロジェクトの業務が想定外に多忙となり、本研究に充てる時間が減ってしまったことも一因である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、ユーザーのインセンティブ設計、及びインセンティブ設計の評価について行う。 具体的には、ユーザーのインセンティブ設計において、ユーザーに与える動的変動報酬の変動幅をユーザー間の競争意識が最も高くなる手法について、ゲーミフィケーション等の手法を用いて議論及び設計を行う。さらに、インセンティブ設計に基づきシミュレーションを行い検証する予定である。また、インセンティブ設計に基づくシミュレーションでは、局所シミュレーション及び広域シミュレーションを行う。また、ユーザーに対するプライバシー手法を用いた場合と、プライバシー手法を用いない場合についてのシミュレーションも行う。これらのシミュレーションにより、インセンティブ設計についての評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該助成金の使用状況は予定通り行なったが、最終的に端数が生じたため、次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度におけるシミュレーション及び実験での物品の購入に充てる予定である。
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