研究課題
基盤研究(C)
複雑系のレジリエンス性向上のための基礎技術確立を目指し,数理モデルにみられる状態の安定度を操作する制御系について研究した。複雑系数理モデルにおける状態の安定度はシステムパラメータ値によって変化し,状態が不安定化する方向にパラメータ値が変化するとやがて状態が急変する分岐現象を生じることがある。システム状態の安定度をリアプノフ指数やスペクトル半径の指標に基づいて定義し,その安定度を操作することで分岐現象の発生を回避するパラメータ制御系を構築した。
数理工学
本研究では,常微分方程式や常差分方程式で記述される数理モデルにみられる安定な状態が,システムパラメータ変化によって急変することを回避するパラメータ制御系を開発した。開発した制御系は数理モデルとして記述できるさまざま複雑系に対して適用可能であり,生命系,電力網,情報通信ネットワークなどの幅広い分野におけるシステムについて,そのレジリエンス性を向上させるための基礎技術となりうる。