研究成果の概要 |
多くの精神疾患患者やストレス被曝者と接し,ストレスの大きな要素として「不安」「恐怖」の感情が密接に関わっていることが判った. 「不安」「恐怖」音声の分析を行った結果, 不安を感じる時間が元気圧の変化の様子に影響を与えていた. 次に, 楽しさと笑いの音声取得と解析を行い, コミュニケーション後に元気圧が増加している被験者の多くがコミュニケーション中にHappyの感情が最も表出される傾向がある事が判った. これまでの研究成果の実用を想定する医療分野において, 数理化の原理を工学技術者が理解できるモデルにする必要があった. 特に, アルツハイマーやうつ病において, その様相の数理モデルを構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
申請者は音声感情認識技術および「音声病態分析学」講座において, 医療分野への技術応用研究を行っている. 一連の研究において多くの精神疾患患者やストレス被曝者と接する上で, ストレスの大きな要素として「不安」「恐怖」の感情が影響していることが判った. 健常者と患者に分けて医師の診断ラベル, 生理データに基づいた「不安」「恐怖」の感情出現様相と音響パラメタを比較することで, 健常から未病状態そして発病までのプロセス特徴を導出し, 予てより問題とされてきた, うつ病や双極性II型, 不安神経症, 自死などの予防や未病対策, ケアやトリートメント, レジリエンス付与などへ応用できることに意義がある.
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