本研究では実際の文化財の材質情報や材質の状態を含めたデジタルアーカイブに貢献できる.写真やCG映像に加えて材質情報の詳細な記録ができれば文化・歴史研究の分野で貴重な科学的資料となる.さらに,材質の状態変化による質感予測がCGにより可視化できるため,含有物質や劣化状態の変化などを高精度に予測が可能となる.また,本手法では従来法よりも計測が簡便になるため,文化財の材質計測の作業負担(計測時間,労力,特殊な計測系といった設備構築の面)やコストが大幅に軽減される.つまり,本研究の成果によって,文化財に関する研究者や専門家が文化財の科学的な調査を行うための強力かつ簡便なツールを提供できる.
|