全球多媒体モデル、全球水産統計データ、発生源寄与率解析を統合し、人為排出量削減に伴う環境・生物中の水銀負荷への応答を定量評価するための数理手法を構築した。人為排出量の長期インベントリを作成し、これを用いて、主要な人為排出の始まった1850年以降160年間のシミュレーションを行った。この結果を用いてソース―レセプター解析を行い、2010年における、魚類中の水銀の起源を推定した。この結果、海洋の全漁業海域において、過去主要な排出地域であった北米―ヨーロッパが、現在における魚類中総水銀の最大の起源となっている結果が得られた。また、全球水産統計データを用いて、漁業による水銀輸送量を推計した。
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