降水量を台風に伴うもの(台風降水)とそうでないもの(非台風降水)に分離して将来予測結果を解析した。その際、非静力学地域気候モデル(NHRCM)による現在及び将来気候実験(RCP8.5シナリオ)データを使用した。その結果、将来は日本に接近する台風が減少するものの、個々の台風に伴う降水の強度が強くなることがわかった。これらの相反する効果によって、台風降水の総量に変化は生じなかった。しかし、極端な強度の台風降水については、その頻度が増加した。一方、非台風降水の日降水確率分布の解析から、北日本の日本海側で強雨が減り弱雨が増える傾向、西日本の太平洋側での分布の強雨側へのシフトなどが確認された。
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