研究課題
基盤研究(C)
元素状炭素は、地球上に広く存在する炭素の形態の一つであり、燃焼によって生成し、大気中を浮遊している間に酸素や紫外線によって風化(酸化分解)する。本研究では、この風化過程を明らかにすることを目的として、実験室内で紫外線やオゾンによる酸化分解過程の追跡・評価する手法を確立した上で、検証実験を行った。その結果、元素状炭素は炭素構造の大きな変化を伴わずに酸化分解が進行するものの、その過程では炭素構造の欠陥部分が相対的に増加していることが明らかとなった。
環境化学
元素状炭素は有機物の燃焼等によって生成し、大気中を浮遊している間に酸化分解するものの、そのメカニズムについては、実験的な検証がほとんど行われていなかった。本研究では、酸化分解過程を実験室で評価するための手法を確立し、この手法により元素状炭素が骨格構造の変化を伴わずに酸化分解する過程を示すことができた。本研究の遂行により、今後、元素状炭素の酸化分解に関する更なる研究を進めるための素地を確立することができた。