会津盆地北部の水田地帯において,地下変温層の温度変化と地下水涵養効果の関係を明らかにし,浅層部の地中熱を効率的に利用するための地下温度管理の基礎資料を得ることを目的に本研究を実施した。地下水位と地下変温層中の地下水温および地中温度を測定した結果,地中温度の変動幅やパターンが場所により異なることが判明した。これは砂礫層の不均質性や水田の耕土層の厚さの変化が影響している可能性がある。また,地下水涵養による地下温度への影響は飽和帯ではほとんどなかったが,不飽和帯では大きいことが確認された。扇状地に位置する本研究地は地下水の移流を活用した地中熱利用システムの適地であると考えられる。
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