研究課題/領域番号 |
16K00685
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
島本 美保子 法政大学, 社会学部, 教授 (70245629)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | レント / ロビイング / S&P500 / 財務諸表 / 動学的パネルデータ分析 |
研究実績の概要 |
財務諸表データをもとに、独占モデルの静学的及び動学的最適条件を満たす条件式から各企業のレントやその動態を算出するモデルを初年度から構築してきたが、これを用いたレントと政治的支出の関係の実証分析を今年度は米国のグローバル企業に適用し、レントと政治的支出の関係を分析してきた。 S&P500の財務諸表をMergentOnlineからダウンロードし、これらについて上記の方法でレントを計算した。他方で、米国のSenatorsは1999年以降、企業の5000ドル以上のロビイング支出を申告を義務付けていて、このデータをLobbying Disclosure Act Databaseに集積している。このデータベースからS&P500の企業のロビイング支出の経年データをダウンロードした。 この2つのデータ系列が存在した234社について、stataで動学的パネルデータ分析やパネルデータでのGranger 因果性検定を行い、レントとロビイング支出の因果関係の分析を試みている。また各サンプル企業をVARモデルで推定し、Granger因果性検定も行ったが、時系列が短いため、帰無仮説を棄却することが困難という構造的な問題があることがわかった。そこでレントとロビイングのどちらを先決係数としたときにFGLSを用いた単純回帰のt検定を棄却する企業が多いのかというアプローチをとってみた。1994~2013年のレントデータ、1999~2017年のロビイングデータに欠損がない65社について分析したところ、レントを先決変数とした単純回帰式が有意性を持つ企業のほうが多いことがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動態的な均衡条件からレントの時系列を計算する理論の構築に手間取ったため、ようやく3年目にして、方法論についての論文を活字にすることができた。そのため、米国のS&P500へのこの手法による実証分析が遅れ気味になっている。
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今後の研究の推進方策 |
この課題の研究期間を1年延長し、2019年度まで行うこととした。現在米国S&P500企業のレントとロビイングの因果関係についての分析を進行中である。2019年度前半には結論をみて、英文ジャーナルに投稿する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
米国S&P500企業のレントとロビイング支出の因果関係の分析を現在進行中である。今年度前半には結論を得て、英文ジャーナルに投稿したい。次年度使用額については、論文投稿に際する校閲等、そして実証分析の過程での追加的な資料収集にあてたい。
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