令和元年度は、これまでに構築した高齢者の食事摂取困難の評価項目とその基準の妥当性等について、特別養護老人ホーム9ヵ所に勤務する介護職員20名に対し前年度に実施したアンケート調査の結果を踏まえて再検討した。この成果は、介護福祉関する学会で発表するとともに、論文としてまとめ研究紀要に掲載することができた。 また、終末期に至る食事困難の類型(案)をもとに、食事ケアに熟練した技術をもつ介護職員へのインタビュー調査を実施した。調査にあたっては、先に作成した「終末期に至る食事摂取困難事例の類型案」を提示して、その特徴を説明した上で、各々のタイプに類似した事例に対する具体的な観察ポイントや食事内容や形態、介助方法など具体的な内容、対応、工夫などを聞き取った。各々食事摂取困難タイプの持てる力を活かしたケアを実施していることが明らかとなるなど、この調査結果の一部は、「終末期の至る高齢者の食事困難タイプ別介護方法の特徴」として福祉関連の学会で発表することができた。また、介護者による高齢者の終末期に至る食事ケアモデル(試案)の公表に向けて調査結果を整理中である。
|