歴史的集落・町並みの保存問題は建物の物的側面や保存技術にかかわって研究が進められてきた。地域の歴史や生活文化への関心が高まる中、歴史的集落・町並みの保存・継承のためには地域住民の理解と主体的参加が重要になってきている。重要伝統的建造物群保存地区の選定数は増えているが、一方で、住民の高齢化、空き家の発生、町並み保存の担い手不足等の問題は町並み保存活動の継承を困難にしている。こうした社会的課題を踏まえ、本研究は学校教育との連携、具体的には住教育の視点から町並み保存問題にアプローチしたものであり、教材開発や次世代育成プログラムなど地域の個性を生かした多様な連携と協働による取組の可能性を提示している。
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