研究課題
基盤研究(C)
研究対象とした水田の土壌からイネへのセシウムの移行について解析に必要な基礎的データを明らかにした。用水中の放射性セシウム濃度に季節変動及び新たな流入があることを明らかにした。また、水田土壌中に存在するアルカリ金属元素の中でも、セシウムのみ存在する化学形がカリウム等の他の元素とは異なることを明らかにした。また、非放射性セシウムと、福島原発事故由来のCs-137との間でも存在状態が異なることを明らかにした。
放射化学
本研究の成果は、直接的に米の放射性セシウム汚染根治療法の提案には至らなかったものの、今後の解析を考える上での基礎となるデータである。また、極端な放射性セシウム濃度の変動は、原発事故によって特定の時間帯に一定の割合で放出したと考えられている水に不溶で比放射能の高い放射性セシウム含有微粒子の存在が原因である可能性が否定できず、今後、同分野の研究を進める必要があると指摘できる。