肥満症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病は年々増加傾向にあり、超高齢化時代において医療費の高騰の一因となっている。私たちは、目立った肥満を示さなくともこのような疾病に罹患した患者の要因を解明するため、“食物の性状”に着目して研究を行った。 軟らかい食物をラットに給餌したところ、体重増加は認めないが体脂肪率の高いラットを作出できた。同ラットの脂肪細胞は肥大化しており、脂肪組織での慢性炎症を認めた。体重を一定に保つための生体機構として、交感神経の賦活によるカテコールアミンの上昇が見られたことから、軟らかい食事を続ける食習慣が高血圧や心疾患、動脈硬化の一因となる可能性が示唆された。
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