研究課題/領域番号 |
16K01058
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
森 一将 文教大学, 経営学部, 准教授 (10616345)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 項目反応理論 / AO入試 / 面接選抜 |
研究実績の概要 |
平成30年度は、平成29年度に引き続き、大規模データに対し、項目反応理論(IRT)の近似推定法を適用し、その精度を調べた。具体的には実際のデータセットに対して提案された近似推定法を適用し、受験者の能力を推定した。その結果、提案法は受験者の能力を妥当性高く推定することができることが分かった。また、今年度はAO入試の面接選抜を想定した実験を実施した。具体的には、統計科目を対象にして科目の開講時に受講者に対し科目受講に関する「志望動機」と「意気込み」をアンケートで聞き、これらの回答の教員による評定(学生の成績が伸びそうか)と期末成績やパーソナリティ特性との関係性を分析した。その結果、「意気込み」に関する教員評定は期末成績を適切に予測することや、「志望動機」「意気込み」の教員評価はビッグ・ファイブ尺度における外向性、勤勉性と関係があることが判明した。本実験の結果から、AO入試における教員評定のうち、「意気込み」に着目することで妥当性の高いモデル構築が可能になることが考えられる。 これらの結果は、3件の学会発表(国際学会1件、国内学会2件)及び1報の論文(印刷済み1報)として公開された。 今後の計画は2点である。1点目は、教員評定に関する実験の範囲をより特定し、入学直後の大学1年生に実施すること。2点目は、実験及びIRTに関する研究の結果を合わせ、妥当性の高い合否判定システムの開発を行うことである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成30年度は、主にAO入試でよく用いられる面接選抜について実験を行ったが、データの収集や分析に予想以上の時間がかかり、計画が若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
令和1年度については、平成30年度の結果を踏まえ、追加実験を行い、よりAO入試に沿った形で評価者(教員)の評価構造を明らかにしていく。その結果とこれまでに行った項目反応理論に関する統計的研究を合わせ、妥当性の高い合否判定システムの開発を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成30年度は実験の進行が思わしくなく、予定していたものをすべて実施できなかった。この遅れは令和1年度において解消される見込みである。
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