研究課題/領域番号 |
16K01140
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
ロブ トーマス 京都産業大学, その他(名誉教授), 名誉教授 (30148366)
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研究分担者 |
神谷 健一 大阪工業大学, 知的財産学部, 准教授 (50388352)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 多読学習法 |
研究実績の概要 |
どの言語であっても流暢な読み手は、文を読む際、文脈や構文の手がかりから文の多くが予測可能であるため、各々の単語には集中することはない。しかし学習者が新しい言語で文を読むことが遅くなる理由の1つは、次にどんな語が来るのかを予測する能力に欠けているからである。この研究の目的は、著者が開発した「Scrolling Cloze」(以下SC)を使用して、学習者が多読学習を通じて得たであろう後続語予測能力の向上を証明することである。SCは、空白箇所を含む文が画面上に表れ自動的に流れて消えていく仕様である。学習者は、画面上の単語ボタンのパネルから空白ごとに適切な単語を選択していくことが求められる。英語専攻の一年生の協力のもと、2回のプリテスト・ポストテストの形式でSCの実施を試みた。その結果、学習者のSC正解数の増加においては、TOEFLスコアの向上やオンライン学習のような他の勉強法ではなく、年間を通じて読まれた単語数と高い相関があることが明らかになった。しかし、多読学習において読まれた単語数と読書速度の向上には、直接的な関係はないように思われる。 この調査の前提は、15週×2学期の間に学習者が多読学習の課題で読んだ語数が学習者の読む能力に反映されることにより、文の次の内容を予測するという後続語予測能力が向上するかどうかということである。主な仮説は次のとおりである。1. SCを使った活動は、学習者の「次に何が来るか」を予測する能力を測定できるか? 2. 学習者が1年間に行う多読学習の量と、「次に何が来るか」を予測する能力の向上との間には関係があるか? 収集できたデータは限定的であったにも関わらず、多読学習が文の予測能力を促進していることは事実として明らかであることが分かった。この研究にて使用されたソフトウェアは、他の教育環境での更なる調査においても利用可能である。
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備考 |
(1) Login information: User -- any name, Password GOKSLL
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