気象データを使って、ユーラシア大陸中央部、特にカザフスタン東方からモンゴル西方における降水の発生する気象条件を明らかにした。さらに、この地域における降水分布には、山脈の位置がかなり大きなウェイトを占めているため、詳細な気象分布を再現するために領域気象シミュレーションWRFを用いた解析を行った。 その結果、西から東進してくる低気圧が天山山脈などの高標高地域にぶつかった際に上昇気流を発生させて降水をもたらすことが明らかになった。また、カザフスタンからモンゴルにかけての地域で、夏季に切離低気圧が3年に一度の割合で発生する。この現象は偏西風波動の切離によって生じ、降水が同じ場所で数日続くこととなる。
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