研究課題
基盤研究(C)
プライバシーに配慮した組織間データの共有の在り方を検討して、包絡分析法(DEA)に基づいた効率性評価に焦点をあてて研究を実施した。小規模組織が単独で持つデータによる分析では不十分な場合に、他組織のデータが利用できればその質が向上することは容易に想像できる。そこで、効率性評価におけるプライバシーに配慮してデータを共有する具体的な手法を提案し、共有に際して生じる情報量と計算量のトレードオフを定量的に測定することで実用可能性を示唆した。その研究成果は国際会議で発表するとともに論文誌にも発表した。
意思決定支援
学術的意義は、効率性評価手法であるDEAでは時系列・大規模・欠損といった多様なデータの取り扱いが提案されているものの、まだあまり検討されていなかったプライバシーへの配慮が必要なデータ、たとえば、他組織のデータの利用にまで進展させることができた点にある。また、多組織間のデータ共有で分析の質向上だけでなく、評価される対象である個別データ提供者は他組織も考慮した公平な評価や他組織に属すると仮定した評価を知ることができる。こういった多面的な評価を実現することには社会的意義がある。