研究課題
がんや結核など既存ワクチンの有効性が限られた疾患に対してはT細胞性免疫応答を誘導できるTh1型アジュバントが添加されたワクチンの実用化が強く求められている。しかしながら、Th1型アジュバントの臨床応用は安全性への懸念からほとんど進んでいない。本研究では申請者が独自に開発した赤外線サーモグラフィーによるマウス発熱測定システムを発展させてアジュバントによる生体影響(発熱や倦怠感)を定量化する装置およびアルゴリズムを確立することで、安全性と有効性に優れた次世代Th1型アジュバントの開発研究に不可欠となる個体レベルでの生体影響評価法を構築することを目的としている。平成28年度に引き続いて、平成29年度は、LPS投与モデルによる検証に加え、複数のアジュバントについて、予備的な検討を行い、システムのブラッシュアップを行った。その結果、予定していたシステムの性能と機能の基本的な確認がなされた。アルゴリズム構築については、新しいシステムにあわせたデータプロセスのパイプライン検討を行った。しかしながら、その過程で、新規に導入した2台の赤外線カメラ間に測定値の差が発生していることが判明し、その問題の解明を行っている。全体的な測定値の推移については、ほぼ想定されたデータとなっているものの、その絶対的な測定値には新規に導入した2台の赤外線カメラ間に無視出来ないレベルの差が生じており、ハードウェア的な可能性を念頭に、赤外線カメラメーカーなどと対応を協議している。
3: やや遅れている
装置構成に必要な部材の調達やソフトウェア開発に時間を要したため。
赤外線カメラの問題を解決しだい、約15種類のアジュバント投与のデータを取得し、それらのデータを用いた異常検出アルゴリズムの構築を行う予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件)
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