• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

褥瘡の病態に対応した直流微弱電流刺激によるオーダーメイド治療研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K01529
研究機関神戸学院大学

研究代表者

杉元 雅晴  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20379457)

研究分担者 松尾 雅文  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 特命教授 (10157266)
植村 弥希子  神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 研究員 (10786601)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード褥瘡 / 電気刺激療法 / 無作為化比較試験 / クロスオーバー研究 / 創の縮小
研究実績の概要

【目的】本研究の目的は、線維芽細胞の遊走・増殖を促進させる直流パルス微弱電流刺激療法(以下、LIDC)の臨床効果を二重盲検クロスオーバー比較試験により検証することである。
【対象】対象は、A病院に入院中の褥瘡患者12名(62~92歳)とした(4名は研究対象外となり、除外となった)。褥瘡部位は仙骨部6例、左腸骨部2例、背部1例、尾骨部1例、右大転子部1例、右腓骨部1例であった。褥瘡創面評価(DESIGN-R)では15~26点あった。
【方法】褥瘡部位に陰極の棒状電極をガーゼで巻き、創面上あるいはポケットを有する症例にはポケット内に挿入し、褥瘡周囲の健常皮膚に陽極を貼付した。1週間の観察期間をおき、観察期間終了後に除外基準に抵触していないことを確認した。その後、ランダム(Randomized)に対照期間もしくは電流刺激期間の2群に割り付けし、褥瘡部位にsham刺激(0 μA)、電流刺激(170 μA, 2 Hz)を2週間実施した。その後、1週間のwash out期間をおき、治療内容を交代(クロスオーバー)し、2週間実施した。LIDC療法は1治療時間60分、週に6回の頻度で実施した。
【結果】電流刺激期間において、ポケット面積とポケット全周(潰瘍面を含む)でp<0.05と有意に褥瘡部位の縮小がみられた。
【結語】褥瘡部位を陰極とした低強度のLIDC療法は、褥瘡治癒期間の短縮に効果があることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

A病院に入院中の褥瘡患者12名(62~92歳)としたが、インフルエンザ等の感染症が院内でも流行し、4名が研究対象外となり、除外となった。

今後の研究の推進方策

この臨床研究により必要なサンプル数のデータを得ることができ、現在、解析作業を進めている。一部の補充実験も3月31日までに終了したのでデータをまとめて、論文の執筆に入った。

次年度使用額が生じた理由

今年度、手術入院をした為、十分な培養細胞実験や臨床研究が円滑に進みませんでした。現在、体調の回復が得られてきましたので、継続して線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化を増殖させ、創治癒を促進させるduty factorを明らかにする確認実験をしています。その為、再度ヒト皮膚由来線維芽細胞、collagen contraction assay試薬等を購入し、実体顕微鏡・顕微鏡デジタルシステムを活用した新しい実験体制で解析する計画でいます。今年中には、結果を確認できます。また、協力病院での臨床研究はデータ解析をし、論文としてまとめ始めています。今年度中に、両研究目的を達成することができます。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 理学療法からみた褥瘡予防の問題点とその対策2018

    • 著者名/発表者名
      杉元雅晴,吉川義之,植村弥希子
    • 雑誌名

      WOC Nursing

      巻: 6(4) ページ: 63-73

    • 査読あり
  • [学会発表] 倫理指針の遵守、臨床研究をスタートアップ!2018

    • 著者名/発表者名
      杉元雅晴
    • 学会等名
      第20回日本褥瘡学会学術集会(神奈川;横浜国際会議場)
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi