痛みの情動的側面に対する治療として、有痛者との信頼関係や情動喚起画像、情動のラベリングにより、脳機能を含めた痛みの情動的側面への有効性を認めた。また、慢性腰痛者に対する経頭蓋直流電気刺激の有効性では、腰痛の程度により結果が異なる可能性が示され、中等度以上の腰痛者では、右一次運動野への刺激で不安の減少、右背外側前頭前野への刺激で腰痛と不安の減少が認められ、背外側前頭前野が痛みの感覚的および情動的側面の鎮痛にともに関与する可能性が示唆された。慢性腰痛の程度が有効な治療部位に影響を与えている可能性があり、痛みの程度の違いによる検討も必要であると考える。
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