この方面の先行研究では、重要な他者から実行されたソーシャル・サポートが負傷競技者の陰性情動の低減や傷害受容(負傷の現実を受け容れることができる心性)の促進に寄与することを明らかにしてきたが、その効果をもたらすメカニズムについては十分な検討がなされてこなかった。 そこで本研究では、ソーシャル・サポートが受容にもたらす恩恵の間に主体による情動調整行動が媒介することを明らかにし、その具体的なメカニズムを示した。また、ソーシャル・サポートと情動調整及び受容との関連を時系列的に検討することで、時期の質や情動調整の質に応じた支援の質を考慮することの重要性が示唆され、支援への新たな仮説が見出された。
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