骨格筋に存在する幹細胞である筋サテライト細胞を個体から単離し、生体外での機能について検討した。短期間の糖代謝異常などの後天的環境要因によって個体における骨格筋機能が低下しても、個体から単離した筋サテライト細胞はほぼ正常な機能を発揮する。一方、遺伝的要因による影響は個体から単離しても残存する。また、遺伝子を欠損した筋サテライト細胞と野生型の筋サテライト細胞を混合して形成した多核の筋管細胞(キメラ筋管細胞)は、両者の中間的な機能を示した。すなわち、同じ筋管細胞内であっても、遺伝子欠損の影響は野生型の筋サテライト細胞由来の核によって完全には補償されないことが示唆された。
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