研究課題/領域番号 |
16K01870
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
高橋 眞琴 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (30706966)
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研究分担者 |
田中 淳一 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (00212035)
堀家 由妃代 佛教大学, 教育学部, 准教授 (80411833)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | グレーゾーン / 発達支援 / 地域事業所 / 日米比較 / 保護者 / 支援エピソード / 認識枠組 / 支援プログラム |
研究実績の概要 |
平成29年度についても、地域におけるグレーゾーンの子どもたちの支援や教育機関との連携について、事業所を拡大し、複数の放課後等ディサービスや児童発達支援、福祉施設、子どもセンター等で調査を実施した。支援の概要と共に、実際にグレーゾーンの子どもたちや発達障害のある子どもたちに行われている支援についてのエピソードについても研究協力者が複数収集し、概念化を行っている。併せて、行政のデータベースを用い、支援事業所の支援内容、目的などについて、集約する作業も行った。グレーゾーンの子どもたちの保護者に対するインタビューも行い、保護者自身のグレーゾーンの認識が子どもの成長とともに、変化していく様子も確認できた。 国外調査においては、教育社会学を専門とする研究分担者、研究協力者の3名で米国ハワイ州(Kapahulu地区、Manoa地区)でのインタビュー調査及び、大学、小学校、高等学校、民間施設での観察及びインタビュー調査を実施した。今後の課題として、特別ニーズ教育の対象とする児童生徒の社会経済的背景について調査を行う必要性も考察された。 併行して、研究協力者が中心となって、米国から来日し、日本の学校で外国語指導を行っている複数の米国の教員にもインタビュー調査を行った。その結果、グレーゾーンや特別な教育的ニーズの捉え方が、日本の教育関係者や発達支援事業所の関係者とは異なることが示唆された。米国においては、州によって施策が異なるが、グレーゾーンや特別な教育的ニーズの捉え方の差異について、2018年度も引き続き、考察していきたい。これらの国内外の調査については、論文の執筆と共に、学会発表も行い成果を発表した。教育委員会関係が主催する現職教員向けの研修会においても情報提供を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
地域におけるグレーゾーンの子どもたちの支援に関連する事業所を拡大し、調査を実施した。スタッフへのインタビューで支援概要を把握すると共に、実際にグレーゾーンの子どもたちに行われている支援エピソードについても研究協力者が50以上収集し、現在、概念化を行うことで、より実践内容の詳細が明らかとなっている。学校教育との連携についても論文としてまとめ、発表した。行政データベースを用いて、事業所の目的や事業内容について集約し、発達障害に関連した学会でも発表している。教育社会学の研究者による米国調査も予定通り実施し、論文として公表予定となっている。国内外の調査共に、ほぼ予定通り遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、地域におけるグレーゾーンの子どもの支援を行っている事業所関係者、保護者、研究者が参画し、シンポジウムを開催することで、地域連携を基盤としたグレーゾーンの子どもたちの発達支援を様々な立場の人たちで考察する機会をもつ予定である。 併せて、3年間の調査内容や地域におけるグレーゾーンの子どもの支援を行っている事業所関係者、保護者、研究者の論考を報告書としてまとめ、出版する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ整理研究協力者へ支払う予定等の謝金について、研究代表者自身が作業を行ったため、次年度使用額が生じた。
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