被ばくで発がんリスクがなぜ高くなるか、被ばく時年齢が異なると発がんリスクがなぜ異なるかを明らかにするため、生後1、4日齢で照射したPtch1遺伝子ヘテロ欠損マウスを用い、髄芽腫前がん病変を解析した。先行研究でこのマウスは、Ptch1遺伝子の消失により髄芽腫が発生すること、その消失パターンが自然発生時(組換え型)と放射線誘発時(欠失型)で異なることが明らかとなっている。その結果、照射群では組換え、欠失型の病変巣が混在した。さらに生後1日齢照射群では両型ともに体積が非照射群・生後4日齢照射群に比べ増大し、被ばく時年齢に依存して発がん過程が異なり、それにより発がんリスクが異なる可能性が示唆された。
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