今後の研究の推進方策 |
高次聴覚野の音包絡変化の役割を明らかにするためには、各領野の音包絡変化方向選択性の分布を明らかにする必要があり、引き続き記録するニューロン数を増やす必要がある。またそれらの細胞のスパイク応答の時間変化が音知覚の非対称性に関与するかを明らかにするため、異なる音包絡変化音に対する時間応答関数を作成し、反応の大きさ、潜時および反応パターンの解析をおこなう予定である。具体的には、任意の1回の刺激音の活動パターンと各刺激音による平均活動パターン間のユークリッド距離を比較する神経識別器を使用した解析をおこない、高次聴覚野の特徴選択性による音圧振幅方向の識別能力を定量化する方法を用いる。刺激音は、damp音とramp音に加えて、音の開始と終了が共に振幅が急激に変化するrectangular音を使用する。各音の最高音圧を30,50,70 dBの3段階に、長さを2.5,5,10,20,40,80,160,320 msの8段階に変化させ、合計72種類の刺激音に対する応答を解析する予定である。
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