• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2019 年度 実施状況報告書

冷戦期アメリカの西部開発と先住民

研究課題

研究課題/領域番号 16K01977
研究機関名古屋大学

研究代表者

内田 綾子  名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (20283468)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワードアメリカ / 先住民 / 西部 / 土地開発 / 冷戦
研究実績の概要

2019(令和元)年は、前年度にネバダ大学図書館において調査した史料を分析し、第二次世界大戦後に設立されたインディアン請求委員会(Indians Claims Commission)による先住民部族に対する補償の動きと、ネバダ核実験場を含むウェスタン・ショショーニの土地問題を考察した。この内容に基づいて、5月の日本西洋史学会(静岡大学)で自由論題報告を行い、さらに明確にすべき課題を確認した。そして、この報告内容を掘り下げ、執筆した論文を『アメリカ研究』(アメリカ学会)第54号に投稿し、査読と修正を経て掲載された。
さらに、2017年度にニューメキシコ大学図書館で収集した史料を中心に、第二次世界大戦後に高まったナヴァホ保留地におけるウラン開発の影響について論文を完成し、大学の紀要に発表した。
以上の考察から、冷戦期における先住民の土地問題や地下資源開発による環境汚染は当時の連邦政府主導の核開発や軍拡と関わり、1960年代の先住民運動と1970年代の自決政策の時期においてもこれらの問題が深化していたことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画で2019年度は最終年度として、過去3年間に行った史料調査と分析をふまえて各事例を比較検証する予定であった。しかし、上記の学会報告を行い、2つの論文を執筆して投稿するのに予想外に時間を要し、総合的な考察を行えなかった。そのため当初の研究計画を変更し、1年間の補助事業期間延長を申請した結果、承認された。

今後の研究の推進方策

2020(令和2)年度は、残りの課題をさらに整理して論文にまとめるとともに、これまでに分析したワシントン州、ネバダ州、ニューメキシコ・アリゾナ州の各事例を比較して冷戦期の西部開発が先住民部族にもたらした影響を考察し、研究の総括を行いたい。

次年度使用額が生じた理由

2019年度は、上記のように学会報告と論文の執筆・投稿に追われ、さらなる史料収集と海外出張を行えなかった。補助事業期間延長を申請し、2020年度に再度、海外出張を計画していたが、今のところコロナウィルスの影響により実現できるか未定である。できない場合は、必要な図書や史料を取り寄せて、これまでの研究をまとめたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] アメリカ南西部の資源開発と先住民 -ナヴァホとウラン2020

    • 著者名/発表者名
      内田綾子
    • 雑誌名

      名古屋大学人文学研究論集

      巻: 3 ページ: 251-269

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 冷戦期アメリカの先住民政策と土地問題 -インディアン請求委員会とウェスタン・ショショ-ニ2020

    • 著者名/発表者名
      内田綾子
    • 雑誌名

      アメリカ研究(アメリカ学会)

      巻: 54 ページ: 209-229

    • 査読あり
  • [学会発表] 冷戦期アメリカの先住民政策と土地問題―ネバダ州の場合2019

    • 著者名/発表者名
      内田綾子
    • 学会等名
      日本西洋史学会第69回大会(静岡大学)自由論題報告

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi