研究課題/領域番号 |
16K02120
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
稲原 美苗 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00645997)
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研究分担者 |
浜渦 辰二 大阪大学, 文学研究科, 招へい教員 (70218527)
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70362689)
池田 喬 明治大学, 文学部, 専任准教授 (70588839)
津田 英二 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (30314454)
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研究協力者 |
グラン エマ
パッドフィールド デボラ
水谷 みつる
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 当事者研究 / 哲学対話 / 慢性疼痛 / 障害の哲学 / 現象学 / 臨床哲学 |
研究成果の概要 |
本研究は、身体表現や造形制作を応用した当事者研究の実践を踏まえた上で、「言語表現が難しい当事者」と「言語表現できない症状のある当事者」に関する研究を実施した。1年目にスウェーデンの特別支援学校などで身体表現実践を続けてきたエマ・グラン氏を、2年目にイギリスの医療現場で慢性疼痛患者との造形制作を実践してきたデボラ・パッドフィールド氏を招き、それぞれワークショップと国際シンポジウムを行った。本研究では、それらの実践研究をまとめて現象学的な考察を行った。言語表現をそのまま使えない当事者がそのとうにコミュニケーションを向上できるのかという問いに挑み、既存の当事者研究や自助実践のあり方を再考した。
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自由記述の分野 |
臨床哲学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は医療、福祉、特別支援教育などの当事者(利用者)が支援者(専門家など)とのコミュニケーションそのものを向上していくことによって、支援のあり方を多角的に考えられるようになる可能性を提案した。スウェーデンやイギリスからコミュニケーション実践者の二人を招き、共同研究する機会を得た。そのプロセスの中で、当事者と支援者が対話を重ね、当事者の「生きづらさ」や「身体」を捉え直す態度を養うことで、それぞれの問題を解決する一助となることが明らかになった。それらの成果を現象学的に分析したものを国内外の学会などで発表し、専門家任せの支援から当事者主体の支援へと移行することを示唆し、哲学的研究の意義を再考した。
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